世界が認める匠の技
大切なお知らせ
  • 【訃報】 奥田 稔は、かねてより病気療養中のところ、令和2年3月25日に逝去いたしました。
    ここに生前のご交誼を深謝するとともに謹んでご通知申しあげます。
  • 【奥田こいのぼり店今後の運営について】今後新規の制作注文は終了とさせていただきますが、令和2年2月15日までの受注分に関しては全て納期どおり納品いたします。
    今後の新規注文に関しては、わずかではありますが少量在庫分のみ販売させていただき、全ての在庫がなくなり次第奥田このぼり店の運営を終了いたします。
令和2年3月31日
株式会社 茶天苑

匠の仕事

Meister
「ものづくり」それは「魂をこめること」でありたい
日本古来の伝統技術を今に引き継ぐ職人技。使う道具から材料までとことん手作り。
型をつかわず、昔ながらの手描きにこだわり、一年という年月をかけてつくりあげる
手づくり鯉のぼりの美しさは、真に魂をこめた手仕事の技。
手づくりにこだわり「原点志向」でありつづける。
父の跡を継いで鯉のぼり職人になり、40年以上になります。親父の口伝えで先祖は紺屋(こうや)だったと聞いています。江戸時代の風習にあった武者のぼりを作っていたのが、親父の代から本格的な鯉のぼり作りに変わったのでしょう。ちょっと昔なら、一軒の家のために近所の人たちが総出で鯉のぼりをあげたものですが、近頃ではそんな姿もあまり見られなくなってきました。鯉のぼりを上げるスペースが確保できないことも減少の原因にありますが、それ以上に私が感じるのは隣近所の縁が希薄になっていることが大きく起因しているのだと思います。作る側である私の意欲も必要ですが、子供のために鯉のぼりを上げてやろうとする大人たちの勢いがなければ鯉のぼりはあげられませんからね。
技術面で秘技のようなものは特にありません。しかし、一つ一つの鯉のぼりに込める思いは誰にも負けないつもりです。近年ではあらゆる分野で技術が進歩しているので、鯉のぼりを作るにあたっても楽をしようと思えばいくらでも方法はありますが、私の場合は伝統的なやり方でないと自分の仕事ではないと思っています。
子供達の夢を乗せて…
なぜそんなにも古い方法に執着するのか、いまだにこんな手間のかかる事をやっているのかと言われる事もあります。なぜだろう?と考えてみたとき、思う事は一つ。一年に一度の端午の節句にあげる鯉のぼり…子供の初めての祝いを飾る鯉のぼり作りに妥協することはは許されないと思うからです。節句の頃になり自分の手がけた鯉のぼりがあがっているのを見た瞬間には言葉では言い表せない喜びが胸にに込み上げてきます。どこかの家庭で私の鯉のぼりが子供の成長を見守っている。そういう意味では本当に幸せな仕事をしていると思います。今後も体力の許す限りこの仕事を続けていくつもりです。

先祖代々受け継がれてきた伝統の技のすばらしさはこの180年前の武者幟からもみてとれます。
染料の墨を何ヶ月も前から練り、大豆をすりつぶし、顔料の性質に合わせて季節をずらして手染めする。
そんな気の遠くなるようないくつもの行程をふむからこそ「伝統の技」は再現され受け継がれてゆくもの。
鯉のぼり製造という日本独自の技術は世界でも注目されています。

京都府伝統産業優秀技術者 鯉のぼり製造師
奥田 稔 Minoru Okuda

昭和19年 京丹後市大宮町生まれ
昭和48年 父の跡を継いで鯉のぼり職人に。

染業…五月鯉幟、神仏幟幕、印物加工

・鯉幟製造師(京都府伝統産業優秀技術者)として京都府知事より表彰
・ 茨城県大宮町との交流支援事業にて鯉のぼり一揃えを寄贈。感謝状を贈られる
・幼稚園、保育所に鯉のぼりを寄贈。感謝状を贈られる
・海外にも鯉のぼりを贈り、感謝状を多数贈られる

モノにこだわる

Material
良い鯉のぼりは本物の素材から
「奥田こいのぼり店」の手づくり鯉のぼりは、昔ながらの様々な素材の上に成り立ちます。
伝統の技術ゆえに、使うモノにもとことんこだわります。
墨書道の固形墨を手作りする奈良の南松園さんの墨を使用。墨を練る作業は終わりの無い作業で練れば練るほどに深み、光沢が増してくる。通常半年もの時間をかけて練りこむ。黒という色は一番難しい色であるだけにこだわるところ。
大豆(白豆)布が綿であるため植物性タンパク質が多く含まれる白大豆を使い色をなじみやすくする。京丹後市口大野産の白大豆を使用。白豆は新しい白豆でなければいけない。白豆(呉汁)で染めると年数がたつにつれ色が枯れて深みが出てくる。
糊京都からとりよせたぬかともち粉を石灰で調節して昔ながらの製法で作る。自然素材なので洗い流しても環境に害は無くやさしい糊です。 糊を作るのには約2時間かかります。
薪蒸しの際にはまきを使う。これは火力などの関係により必ずまきでないとだめだという。蒸しはかならずマキを使って竈(くど)で行うのがこだわり。
糊置き布地にのりをおいていく作業に使用する。使用する部位により糊の太さ、量を変えるため形状は色々。だけにこだわるところ。
けた鯉のぼりを両端からひっぱり布のたるみをなくす為のもの。手づくり鯉のぼりならではの道具といえる。
使い勝手の良いように手を加えたり手作りする。
綿通常ナイロンで作られている事が多い鯉のぼりは途中で空気がぬけず筒が上っているような状態になる。綿を使う事で空気が途中で抜け鯉のぼりをうねらせることができ、生きているかのように泳ぐ。綿のほうが重く動きに迫力が出るのも魅力。
筆筆は指先の延長であり、指先と同じ動きをしなければいけないもの。毎年こまめに使い、又寝かせてを繰り返し、筆先も使いやすいようにカットして使っています。鹿の毛の中でも特に柔らかい冬毛を愛用。
蒸し蒸しはマキを使って竈(くど)で行う。
布を巻き付ける為の道具は鰻漁で使う天然素材の竹を使ってた仕掛けをアレンジした特注品。
ミシン仕上がった鯉のぼりの縫製を担当するのは昔ながらの足踏みミシン。
熟練の職人が縫い上げます。

手づくりこいのぼりができるまで

Flow
伝統の技を今に受け継ぐ
昔と変わらぬこだわりの工程の一部をご紹介します。
今では技術の進歩により、ここまでの手仕事はほとんど行われなくなっています。
現代に受け継がれる伝統の技術が少しでも伝わればと思います。

一匹の鯉のぼりができるまで(真鯉の場合)

下書き
水で消える「青花」を使い下絵を描きます。以前は草津の本青花を使っていましたが、生産者さんの高齢化に伴い入手できなくなり、今はやむなく科学青花を使用。時代の流れとはいえ作り手にとっては「おもしろくない」ことの一つだそう。
01
糊の調合
精製した米ぬか・もち粉をまぜ石灰で調整して作る。おくどさん(カマド)で炊き上げる昔ながらの製法である 。
03
墨の調合
固形墨のけずりカスをお湯に3~4時間つけ、にかわを抜く。練れば練るほど色艶が良くなる。出来上がった墨を白大豆の汁(呉汁)でといて使う。
05
乾燥
色が変わらないように乾燥させる。天候の加減などにより作業できる日が限られてくる。
07
赤入れ
赤色を入れるとき、晴れの日は避ける。赤は2度塗りし、下の色と上の色を合わせて赤色となる。こうすることで少し黄色がかったくすんだような赤、深みのある赤色となる。
09
調整
鯉のぼりの細かな部分を調整しながら仕上げていく。
11
金時の調整
金時さんの顔を見直したり。髪の毛などに勢いをつけるなど細かい部分を調整しながら仕上げていく。
13
完成
裁断と縫製で仕上げて完成です。        
15
金時の輪郭書き
金時さん(金太郎)の輪郭を描いていく。真鯉にまたがる金時さんは奥田鯉のぼりの特徴でもあります。まずはこの輪郭描きからはじまります。
02
糊置き
下描きしたものにのりをおいていく作業。道具の太さや形状は使用する部位により色々ある。
04
下染め
一番下の色を染める。色が変わらないように暖房などはせずあくまで自然乾燥。夏から秋にかけて行う。
06
うろこ書き
三角形を描くようにして描いていく。頭から尾にかけて少しずつ小さくしていくのがポイントである。
08
蒸し(色止め)
眠らせておいた鯉のぼりを蒸気で約25分間蒸す。色落ちを防ぎ、布の微妙な調整をしてくれる。
10
金入れ
金色を入れる。金色だけは染めこませず、にかわでひっつける。
12
染め完成
これで染め・着色などはほぼ完了です。
14
青、緑の下絵
青、緑の下絵を行ないます。
4月
下絵作業
真鯉の下絵。梅雨の時期は色が腐ってくるので下描きのみに専念する。
6〜7月
緋鯉(赤)、洗い
赤色は染料の関係で余り早く乾きすぎると困る為、この時期に行う。洗いとはのりを落とす作業のことだが水温が低いこの時期に行うことでそれぞれの鯉のぼりの色がしまってくる。洗いはこの時期のみ行う。
12〜1,2月
青・緑の鯉のぼり
下描きしたものにのりをおいていく作業。太さは使用する部位により色々ある。
5〜6月
真鯉(黒)
あくまで天日干しのため一番天候の安定しているこの時期に行う。年に何本の鯉のぼりが作れるかはこの時期次第。天候が悪く乾燥させる作業が出来なければそれだけ本数も少なくなる。(最大で30本)この時期に天日干しを行う場合、早朝から始め遅くとも10時ごろにはしまうようにする。気温が高すぎると布にぬりつけてる糊が繊維をひっぱり布に溝ができ、色が違ってくる(色ムラ)
8〜11月
蒸し(色止め)、修正、縫製
蒸し(色止め)は色落ちを防ぐだけでなく布の歪みを調整してくれる。蒸しはかならずマキを使ってくどで行う。奥田氏のこだわりである。多少の修正を行い検品する。最終工程である縫製の際にズレが生じると(ぴったり合わないと)破り捨ててしまう。
3〜4月

作品紹介

Works
全てが手づくりだからこそ放たれる風格
手づくりの鯉のぼりはまるで生きているように泳ぐんですよ。
子どもたちの夢を乗せて泳ぐものだから作り手も妥協はできません。
子育てにもじっくり時間をかけてほしいという思いでこつこつと作っています。

手づくり鯉のぼり

  希望小売価格 黒鯉 赤鯉 青鯉 吹流し 桐箱
6.3mセット 788,000円 6.3m 4.5m 3.6m 6.0m
5.4mセット 678,500円 5.4m 4.5m 3.6m 5.0m
4.5mセット 488,300円 4.5m 3.6m 2.7m 4.0m
1.2mセット 225,000円 1.2m 1.1m 1.0m 1.1m
鐘馗様
価格:159,800円
サイズ:縦180cm 横75cm
鐘馗様は五月の節句の厄払い、魔よけとして飾られるようになりました。
武者のぼり
価格:453,200円
サイズ:7~8m
昔、天下泰平を目指す戦陣に、ひるがえった旗指物、吹流しが、江戸時代後半に端午の節句の祝いののぼりとして立てられるようになったのが、その起こりと伝えられています。

※納品一年前の予約のみ家紋、名前を入れることが可能です。(別途費)
※単品で緑色の鯉のぼりも承ります。(145,300円)
※ポール、矢車、ロープは購入者様が各自専門店等でお買い求めください。

アクセス

Access
奥田こいのぼり店は
自然豊かな京丹後市にあります
 

奥田こいのぼり店
〒629-2502  京都府京丹後市大宮町河辺1240
株式会社 茶天苑
〒627-0005 京都府京丹後市峰山町新町115
TEL.0772-62-2122 FAX.0772-62-3311

奥田こいのぼり店
〒629-2502  京都府京丹後市大宮町河辺1240

商品についてお問い合わせ

株式会社 茶天苑
〒627-0005 京都府京丹後市峰山町新町115
TEL.0772-62-2122
FAX.0772-62-3311

商品についてのご購入・お問い合わせについては株式会社 茶天苑までお気軽にどうぞ。